[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
苗作りの仕事をやめてからもうだいぶ経ちますが、時々農業関係の知り合いに、野菜の苗を作ってもらえないかといまだに頼まれます。
しかし、家から車で数十分かかるような現場での育苗は出来ないのです。
こまめにみてあげられる環境でないと作れません。
ですので、家の小さな庭で作るのでもかまわないという条件でのみ、作っていました。
レタスなどの葉ものなら1500本くらいまでならまかなえますし、果菜類も途中までの育苗ならぎりぎり100本くらいまでなんとかなります。
一度に数千本数万本作る現場にいた私には、なんてことない数字です(笑)
ある時、スイカの苗を作ってもらえないかと打診がありました。
普通スイカは接木(つぎき)をするのですが、接木の必要ない品種だということで、させていただくことにしました。
それに、私も久しぶりにスイカを育てられることが嬉しかったもので(笑)
育苗現場には10年ちょっとおりましたが、師匠に「おまえは瓜科に向いてるな」と言われ、後半は瓜科を専門に、特に小玉スイカを作っていました。
…なんだか懐かしいです。
さて、スイカの種のまき時は通常2月頃なのですが、発芽温度は27~30度です。
寒い中、真夏の温度を保持して芽を出してもらわないといけません。
農業設備が何一つない中でどうしたものかと考えて…試行錯誤の結果、こたつに入れて発芽させるという結論に!(笑)
土が乾かないようにビニールで覆い、ちょうど使っていないこたつがあったのでそれを引っ張り出して、すいかの種を温めました。
33度くらいまでならなんとかなりますが、それ以上高温にすると危険です。
こたつをつけっ放しにしておくと、きっと種は高温になるでしょう。
ですので、夜はバスタオルでぐるぐる巻きにしてこたつは消し、昼にみてあげられる時に様子をみて温めることにしました。
しかし、育苗に不可欠な地温計がありません。
昔を思い出しながら、手の平で温度を計りました。
そういえば昔、温度ばかりを気にしていて、師匠に「おまえは温度計を育ててるのか?苗を育ててるのか?」などと怒られたりしたものです(笑)あぁー懐かしいなぁ。
すいかたちはこたつで温まり、2日後、元気に根を出してきました。
ビニールで覆いながら少しずつ外気に慣らし、土中緑化方式にしたので根が乾かないようひたすら霧吹きをかけました。
結果、発芽率は驚異の9割4分でした…8割出ればいいと思っていたのですが。
おそるべしこたつパワーです(笑)
発芽して落ち着くまでという約束でしたので、本葉が開きかけた頃、先方に引き渡しました。
スイカの葉が開く音と独特の匂いが懐かしく、楽しかったです。
去年は体調が悪かったのですべてお断りさせていただきましたが、やっぱり楽しいので、また機会があればお受けしようかな~(笑)
(写真はその時のすいか苗、「天竜3号」です)